2024/04/03 07:58(現地時間) 台湾東部の地震で発生した地震動

作成日 2024/04/12

作成者

山形大学 汐満将史
宇都宮大学 中澤駿佑
京都大学防災研究所 境有紀

注意書き

  • 本解析結果は速報であるため,今後,修正する可能性がある.
  • 以下に示す計測震度は台湾ではなく,日本の震度である.
  • 記録が途中で途切れているものがあるが,今回の検討ではそのまま用いた.

  • 使用したデータ

  • 対象とした観測点は,台湾中央氣象局で公開されているCWASN,TSMIPの観測記録のうち,日本の計測震度で6弱以上を記録したものとした.
  • 同じ観測点のSACファイルを結合した結果,方向によってデータ数が異なったものは除外した.
  • CWASNとTSMIPで,緯度経度が同じ観測点で,地震動強さがほぼ変わらないものは,CWASNの記録のみを用いた.
  • 加速度には0.1-10Hzのバンドパスフィルターをかけている.

  • 地震動強さ(PGA,PGV,計測震度)

    観測点名PGA[cm/s2]PGV[cm/s] 計測震度
    EAH 341.0 35.1 5.55
    EGC 573.5 30.4 5.63
    EHP 369.8 71.7 5.95
    ETLH 502.3 37.5 5.53
    ETM 506.7 33.1 5.63
    EWT 340.6 44.0 5.62
    F025 316.3 52.0 5.53
    F028 252.0 65.3 5.51
    F048 404.2 55.6 5.95
    F049 456.4 53.9 5.82
    F051 574.2 55.2 6.04
    F068 288.6 50.9 5.65
    HWA 455.7 58.4 5.86

    計測震度分布

    凡例作成中

    加速度波形(最大方向)





























    加速度応答スペクトル(h:5%, 水平2方向ベクトル合成)







    加速度応答スペクトル(過去の記録との比較)



    提案する震度算定法による震度

    観測点名計測震度 0.1-1秒震度 0.5-1秒震度 1-2秒震度 提案震度
    EAH 5.55 5.56 5.25 5.33 5.25
    EGC 5.63 5.63 5.03 4.72 5.03
    EHP 5.95 5.71 5.44 5.92 5.84
    ETLH 5.53 5.63 5.12 4.77 5.12
    ETM 5.63 5.72 5.33 4.95 5.33
    EWT 5.62 5.72 5.46 5.19 5.46
    F025 5.53 5.67 5.24 5.34 5.24
    F028 5.51 5.19 4.79 5.40 5.04
    F048 5.95 5.75 5.48 5.90 5.82
    F049 5.82 5.60 5.17 5.72 5.42
    F051 6.04 6.13 5.88 5.50 5.88
    F068 5.65 5.56 5.29 5.56 5.33
    HWA 5.86 5.84 5.57 5.47 5.57

    参考文献
    1)境有紀, 神野達夫, 纐纈一起, 建物被害と人体感覚を考慮した震度算定方法の提案, 第11回日本地震工学シンポジウム論文集, CD-ROM, 2002.11.
    2)境有紀, 神野達夫, 纐纈一起, 震度の高低によって地震動の周期帯を変化させた震度算定法の提案, 日本建築学会構造系論文集,第585号, 71-76, 2004.11.


    震度分布の比較

    計測震度分布図 1-2秒震度分布図
    凡例作成中

    発生した地震動の性質

    日本の計測震度で6強を記録した点が1点,6弱を記録した観測点が12点見られた.発生した地震動の性質を見ると,多くは周期1秒以下の短周期が卓越しているが,EHP,F048では,日本の中低層建物に大きな被害を及ぼす周期1-2秒の成分がやや大きく,その大きさは,2004年新潟県中越地震のJMA小千谷(全壊・大破率1.2%)の8~9割程度であった.

    謝辞

    強震記録は,台湾中央氣象局,防災科学技術研究所,気象庁,鉄道総合技術研究所に提供していただきました.

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