2023/02/06 01:17 トルコ南部の地震で発生した地震動

作成日 2023/02/12
Update:2023/02/16 分布図の一部を修正しました

作成者

山形大学 汐満将史
宇都宮大学 中澤駿佑
京都大学防災研究所 境有紀

注意書き

  • 本解析結果は速報であるため,今後,修正する可能性があります.
  • 一部の記録で計測震度の値が2/7に公開した速報から変わっております.
  • 一部の強震記録は途中で切れておりますが,本解析ではそのまま用いて計算しております.

  • 使用したデータ

    使用したデータは,AFADのダウンロードサイトhtml上でNS方向のPGAが200cm/s2以上の記録のうち,日本の震度5強以上のものとした.
    ただし,観測点3117は,ノイズのような形状になっていたため,データセットには含めていない.

    地震動強さ(PGA,PGV,計測震度)

    観測点名PGA[cm/s2]PGV[cm/s]計測震度
    0201 879.9 51.3 5.5
    0213 246.8 81.3 5.4
    1213 359.6 22.2 5.0
    2308 374.6 38.0 5.2
    2708 2104.6 152.9 6.3
    2712 712.9 124.5 6.1
    2716 257.9 58.7 5.5
    2718 727.8 105.2 5.9
    3115 339.6 40.7 5.4
    3123 656.2 185.1 6.3
    3124 656.3 110.7 6.3
    3125 1125.4 108.1 5.9
    3126 1215.8 107.8 6.2
    3129 1615.0 170.4 6.4
    3131 422.9 59.1 5.7
    3132 570.8 71.0 6.0
    3133 222.1 35.4 5.2
    3134 289.2 41.5 5.3
    3135 1372.2 76.6 6.2
    3136 534.6 58.1 5.6
    3137 921.6 77.9 5.8
    3138 969.6 232.9 6.6
    3139 650.7 154.1 6.2
    3141 975.0 127.2 6.2
    3142 759.1 81.5 5.9
    3143 413.3 143.4 5.9
    3145 818.9 138.2 6.2
    3146 504.3 39.3 5.4
    4611 386.0 41.4 5.3
    4615 643.3 134.6 6.2
    4616 714.2 95.4 5.9
    4620 320.9 34.9 5.0
    4624 358.2 67.6 5.7
    4625 505.1 80.6 5.7
    4629 338.9 29.0 5.4
    4632 393.1 49.5 5.7
    6304 248.8 21.2 5.0
    8002 284.2 39.8 5.3
    NAR 792.7 108.0 5.8
    *1 PGA:地動最大加速度,PGV:地動最大速度,いずれも水平2方向ベクトル和
    *2 PGVは加速度に0.1Hzのローカットフィルタをかけ,積分して算出

    凡例作成中
    計測震度分布図

    加速度波形

    以下に,加速度波形(水平2方向ベクトル和最大方向)を示す.

    0201
    加速度波形作成中

    0213
    加速度波形作成中

    1213
    加速度波形作成中

    2308
    加速度波形作成中

    2708
    加速度波形作成中

    2712
    加速度波形作成中

    2716
    加速度波形作成中

    2718
    加速度波形作成中

    3115
    加速度波形作成中

    3123
    加速度波形作成中

    3124
    加速度波形作成中

    3125
    加速度波形作成中

    3126
    加速度波形作成中

    3129
    加速度波形作成中

    3131
    加速度波形作成中

    3132
    加速度波形作成中

    3133
    加速度波形作成中

    3134
    加速度波形作成中

    3135
    加速度波形作成中

    3136
    加速度波形作成中

    3137
    加速度波形作成中

    3138
    加速度波形作成中

    3139
    加速度波形作成中

    3141
    加速度波形作成中

    3142
    加速度波形作成中

    3143
    加速度波形作成中

    3145
    加速度波形作成中

    3146
    加速度波形作成中

    4611
    加速度波形作成中

    4615
    加速度波形作成中

    4616
    加速度波形作成中

    4620
    加速度波形作成中

    4624
    加速度波形作成中

    4625
    加速度波形作成中

    4629
    加速度波形作成中

    4632
    加速度波形作成中

    6304
    加速度波形作成中

    8002
    加速度波形作成中

    NAR
    加速度波形作成中

    加速度応答スペクトル

    以下に,加速度応答スペクトル(減衰定数5%,水平2方向ベクトル和)を示す.

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)0201 (2)0213 (3)1213 (4)2308 (5)2708

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)2712 (2)2716 (3)2718 (4)3115 (5)3123

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)3124 (2)3125 (3)3126 (4)3129 (5)3131

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)3132 (2)3133 (3)3134 (4)3135 (5)3136

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)3137 (2)3138 (3)3139 (4)3141 (5)3142

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)3143 (2)3145 (3)3146 (4)4611 (5)4615

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)4616 (2)4620 (3)4624 (4)4625 (5)4629

    弾性加速度応答スペクトル作成中
    (1)4632 (2)6304 (3)8002 (4)NAR

    また,特に震度の大きな弾性加速度応答スペクトルを過去の強震記録と比較して示す
    弾性加速度応答スペクトル作成中

    (1)兵庫県南部地震JR鷹取(2)新潟県中越JMA小千谷(3)三陸南JMA大船渡
    (4)東北地方太平洋沖地震K-NET築館(栗原市震度計)
    (5)3138 (6)3123



    提案する震度算定法による震度

    計測震度,および提案する算定法による震度を以下に示す.計測震度は周期0.1-1秒(人体感覚,室内物品の動きに対応)と相関があり1),提案する算定法による震度は,0.5-1秒(建物の中小被害,比較的耐力が高い木造建物の大きな被害に対応2)),1-1.5秒3)および1-2秒4)(耐力が低い木造建物の大きな被害に対応)という,周期帯ごとの地震動強さを震度という共通の指標で見ることができるものである.

    1)境有紀, 神野達夫, 纐纈一起:建物被害と人体感覚を考慮した震度算定方法の提案, 第11回日本地震工学シンポジウム論文集, CD-ROM, 2002.11.
    2)中澤駿佑,境有紀:建築年代による等価周期の違いを考慮した年代別被害関数,日本建築学会大会学術講演梗概集,pp.219-220,2020.9.
    3)中澤駿佑,境有紀:深部地盤構造が建物被害に与える影響,日本建築学会大会学術講演梗概集,pp.1161-1162,2016.8.
    4)境有紀, 神野達夫, 纐纈一起:震度の高低によって地震動の周期帯を変化させた震度算定法の提案, 日本建築学会構造系論文集,第585号, 71-76, 2004.11.

    観測点名計測震度0.5-1秒震度1-1.5秒震度1-2秒震度
    0201 5.5 4.9 5.3 5.1
    0213 5.4 4.7 5.3 5.4
    1213 5.0 4.4 4.4 4.1
    2308 5.2 4.8 4.9 4.8
    2708 6.3 5.9 6.1 6.2
    2712 6.1 5.7 5.8 5.8
    2716 5.5 5.4 5.3 5.1
    2718 5.9 5.4 5.5 5.7
    3115 5.4 5.0 5.2 5.2
    3123 6.3 5.8 6.1 6.5
    3124 6.3 5.9 6.0 6.3
    3125 5.9 5.5 5.5 5.5
    3126 6.2 5.5 5.8 5.8
    3129 6.4 6.0 6.1 6.3
    3131 5.7 5.4 5.6 5.6
    3132 6.0 5.7 5.8 5.9
    3133 5.2 4.6 5.2 5.1
    3134 5.3 4.7 5.1 5.0
    3135 6.2 5.9 5.6 5.5
    3136 5.6 5.1 5.4 5.4
    3137 5.8 5.3 5.3 5.5
    3138 6.6 6.1 6.2 6.5
    3139 6.2 5.7 5.9 6.2
    3141 6.2 5.6 5.8 6.1
    3142 5.9 5.5 5.5 5.5
    3143 5.9 5.2 5.7 5.9
    3145 6.2 5.7 5.9 6.1
    3146 5.4 4.8 5.1 5.0
    4611 5.3 4.8 5.1 4.9
    4615 6.2 5.6 5.8 5.8
    4616 5.9 5.4 5.6 5.5
    4620 5.0 4.3 4.7 4.4
    4624 5.7 5.4 5.5 5.6
    4625 5.7 5.1 5.5 5.5
    4629 5.4 4.8 4.6 4.4
    4632 5.7 5.1 5.7 5.8
    6304 5.0 4.5 4.7 4.3
    8002 5.3 4.9 5.2 5.2
    NAR 5.8 5.1 5.6 5.5

    震度分布の比較

    凡例作成中
    計測震度分布図 1-2秒震度分布図

    発生した地震動の性質

    発生した地震動の性質を分析したところ,日本における震度で6強や7といった,強い揺れが観測された.また,日本の中低層建物の大きな被害と相関がある,周期1-2秒の成分が大きい地震動も見られる.ただし,この周期1-2秒の周期成分が大きな被害に繋がったかは,今の段階では不明であり,それは,日本の建物と,現地の建物の耐震性能が異なるためである.そのため,大きな被害を受ける時の等価周期も,異なると考えられる.
    よって,発生した地震動の性質と建物被害の関係については,今後も検討が必要であると考えている.

    謝辞

    強震記録は,AFAD,防災科学技術研究所,気象庁,鉄道総合技術研究所に提供していただきました.

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