2021年2月福島県沖の地震における強震観測点周辺の被害調査(2021/2/22~23)

山形大学,筑波大学,京都大学で強震観測点周辺(半径200m円内)の建物を対象とした被害調査を行い,その結果を掲載しています.
*結果は速報値のため,今後修正する可能性があります.

観測点位置図



観測点周辺(200m円内)の状況

・JMA郡山市朝日(震度:6弱,調査日:2/22) ・K-NET郡山(震度:6弱,調査日:2/22) ・K-NET中野(震度:6弱,調査日:2/22) ・JMA浪江町幾世橋(震度:6弱,調査日:2/22) ・相馬市中村震度計(震度:6強,調査日:2/14,15,23) ・K-NET相馬(震度:6弱,調査日:2/23) ・新地町谷地小屋震度計(震度:6強,調査日:2/14,15,23) ・KiK-net山元(震度:6強,調査日:2/14,2/23) ・K-NET岩沼(震度:6弱,調査日:2/23)
・蔵王町円田震度計(震度:6強,調査日:2/14,2/23)
・国見町藤田震度計(震度:6強,調査日:2/14,2/23)

調査結果(数字は暫定値)

*相馬市中村震度計の建物棟数を修正しました(2021/3/20).

観測点名全建物棟数木造建物棟数全壊・大破建物棟数全壊・大破率(%)
JMA郡山市朝日1259300
K-NET郡山12210000
K-NET中野867800
JMA浪江町幾世橋957800
相馬市中村震度計12711200
K-NET相馬16614900
新地町谷地小屋震度計675600
KiK-net山元501700
K-NET岩沼845800
蔵王町円田震度計291700
国見町藤田震度計17917000

調査結果のまとめ

調査の結果,震度6弱,6強といった大きな震度を記録したにも関わらず,観測点周辺では全壊・大破といった大きな被害を受けた建物は見られなかった. この原因として,発生した地震動のほとんどは,震度と相関がある周期1秒以下の成分が多く,建物の大きな被害を引き起こす周期1-2秒の成分は小さかった.(発生した地震動についての詳しい情報はこちら)そのため,震度が大きいにも関わらず,全壊・大破といった大きな被害を受けた建物が見られなかったと考えられる.
*なお,今回調査した観測点のうち,震度計の強震記録は執筆時点(2021/2/24)では公開されていないため,詳細な検討が今後必要であると考えている.

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